HOW TOIECインレットの種類:C13・C14、C19・C20などの違い

2026年10月15日技術コラム

この記事は約8分で読めます

パソコンやモニターの電源コードを抜いてみると、機器の背面に三つのピンが並んだ差し込み口があります。この差し込み口と、コードの先の形は、世界共通の規格で決まっています。

「C13」「C14」「C20」…カタログでよく見るこの記号は、その形の名前です。この記事では、記号の読み方と代表的な形、そして機器に合ったインレットの選び方を、図を使ってやさしく説明します。

3行でわかる!この記事のポイント

  1. 奇数はコード側(メス)、偶数は機器側(オス)。C13 と C14 がペア
  2. 形のちがいは、電流・温度・アースの有無のちがい
  3. 選ぶときは電流 → 温度 → アース → 抜け防止 → ほかの機能の順に

IECインレットってなに?

電気で動く機器の多くは、電源コードを取り外せるようになっています。

コードを取り外せると、国ごとにちがうコンセントの形に合わせて、コードだけを替えればよくなります。機器本体は世界共通のまま、出荷先ごとにコードを付け替えられるわけです。

そのために、機器側の差し込み口と、コード側の先端の形を国際規格で決めています。この機器側の差し込み口を「インレット」と呼びます。

用語メモ

IEC 60320
家庭用や似た用途の機器につなぐ電源コネクターの国際規格。C1〜C24 の形と、電流・温度などが決められています。
インレット
機器側にある、電源コードを差し込む部分。ピン(オス)が出ています。
コネクター
電源コードの先端の、インレットに差し込む部分。穴(メス)があいています。

奇数と偶数で見分けよう

IEC 60320 の形には「C」と数字の名前がついています。この数字には、覚えやすいルールがあります。

奇数はコード側(メス)、偶数は機器側(オス)です。そして、となり合う奇数と偶数がペアになります。

たとえばパソコンの電源コードは、コードの先が「C13」、機器の背面が「C14」。この二つがぴったり合わさる組み合わせです。

用語メモ

オス/メス
ピンが出ている側をオス、ピンを受ける穴がある側をメスと呼びます。
コードセット
プラグ・コード・コネクターがひとつになった電源コード。「電源ケーブル」とも呼ばれます。

よく使われる6つの形

規格にはたくさんの形がありますが、ふだんよく目にするのは次の6つです。

図は、機器側のインレット(偶数)を正面から見たイメージです。ピンの数や並び方、外側の形が少しずつちがうのがわかります。

形のイメージです。実際の寸法や比率とは異なります

C6 はその形から「ミッキー型」、C8 は「メガネ型」とも呼ばれ、ノートパソコンのACアダプターや小型の家電でよく見かけます。

ペアになるコネクターと、主な特徴を表にまとめました。

コード側 機器側 定格電流(IEC) ピン温度の上限 アース 主な用途
C5 C6 2.5A 70℃ あり ACアダプター、小型の電源
C7 C8 2.5A 70℃ なし 小型の家電、オーディオ機器
C13 C14 10A 70℃ あり パソコン、モニター、計測器など
C15 C16 10A 120℃ あり 熱を持つ機器
C15A C16A 10A 155℃ あり さらに高温になる機器
C17 C18 10A 70℃ なし 二重絶縁の機器(クラスII)
C19 C20 16A 65℃ あり サーバー、大きな電力の機器
C21 C22 16A 155℃ あり 大電力で高温になる機器

電圧はいずれも 250V。北米の UL 規格では、C13/C14 が 15A、C19/C20 が 20A などと別の値になります

用語メモ

定格電流
その部品に、安全に流し続けられる電流の上限。
ピン温度
使っているときに、インレットのピンが何℃まで上がってよいかの上限。機器の熱がピンに伝わる場合に重要です。

まちがえて挿さらないしくみ

よく似た形でも、組み合わせによっては挿さらないように作られています。これは、危ない組み合わせを物理的に防ぐためのしくみです。

たとえば、高温用の C16 インレットには「でっぱり」があり、ふつうの C13 コネクターは挿さりません。熱に弱いコードが、高温になる機器につながらないようにしているのです。

反対に、熱に強い C15 コネクターは、ふつうの C14 インレットにも挿せます。

挿さるC13コード側→C14機器側基本のペア
挿さるC15コード側→C14機器側熱に強いコードは、ふつうの機器にも使える
挿さらないC13コード側×C16機器側ふつうのコードは、高温の機器に使えない
挿さるC13コード側→C18機器側アースなしの機器に、アース付きのコードは使える
挿さらないC17コード側×C14機器側アースが必要な機器に、アースなしのコードは使えない

覚え方はかんたんです。「より安全な側のコードは挿さる、危ない側のコードは挿さらない」と考えると、整理しやすくなります。

選び方は5ステップ

機器に付けるインレットは、次の5つのステップで選んでいきましょう。

  1. 1電流10A か 16A か
  2. 2温度機器の熱は?
  3. 3アースクラスI か II か
  4. 4抜け防止抜けたら困る?
  5. 5ほかの機能スイッチ・ヒューズなど

STEP 1 電流:10A か 16A か

まずは、機器がふだん使う電流を確認します。

一般的な電子機器なら、10A の C14 で足りることがほとんどです。サーバーや大型の装置のように 10A を超える電流が流れる機器では、16A の C20 を選びます。

電流には余裕をもたせましょう。電源を入れた瞬間に流れる大きな電流(突入電流)も、あわせて確認しておくと安心です。

STEP 2 温度:インレットまわりは熱くなる?

次に、インレットのまわりがどれくらい熱くなるかを考えます。

ヒーターや電気ケトルのように、機器の熱がインレットに伝わる場合は、ピン温度の上限が高い C16 や C16A を選びます。ふつうの電子機器なら、70℃ の C14 で問題ありません。

C1470℃(ふつう)
C16120℃(高温)
C16A155℃(さらに高温)

インレットのピン温度の上限(IEC 60320)

STEP 3 アース:クラスI か クラスII か

三つ目は、アース(接地)が必要かどうかです。これは、機器が感電をどうやって防ぐ設計になっているかで決まります。

金属のケースを持つ機器など、アースで人を守る「クラスI」機器には、アース付きの C14 や C20 を使います。二重の絶縁で人を守る「クラスII」機器には、アースのない C18 などを使います。

クラスI 機器

アースで感電を防ぐ。金属ケースの機器など。インレットは C14・C20 など。

クラスII 機器

二重の絶縁で感電を防ぐ。アースは使わない。インレットは C18・C8 など。

用語メモ

アース(接地)
機器のケースを大地につなぎ、もれた電気を逃がすしくみ。
二重絶縁
電気が通る部分を、二重の絶縁で囲んで感電を防ぐ方法。「回」の字のようなマークで表されます。

STEP 4 抜け防止:コードが抜けたら困る?

四つ目は、コードが抜けにくい工夫が必要かどうかです。

ふつうのインレットは、コードを引っぱると抜けてしまいます。医療機器やサーバー、計測器など、動いている最中に電源が切れると困る機器では、抜け防止のしくみがあると安心です。

ふつうのインレット

差し込むだけ。引っぱったり、振動が続いたりすると抜けることがあります。

抜け防止付きインレット

コネクターをしっかり保持して、うっかり抜けるのを防ぎます。SCHURTER社の「V-Lock」などがあります。

V-Lock は、インレットのアースピンにある溝に、専用コードのコネクターがかみ合うしくみです。専用コードを使えば抜けにくくなり、ふつうのコードもそのまま挿して使えます。

用語メモ

V-Lock(ブイロック)
SCHURTER社の、電源コードの抜け防止システム。対応インレットと対応コードを組み合わせて使います。

STEP 5 ほかの機能:まとめて付ける?

最後に、インレットのほかに必要な部品を考えます。

電源スイッチ、ヒューズ、ノイズを抑えるフィルターなども必要なら、それらをインレットとひとつにまとめた「パワーエントリーモジュール」を選ぶ方法もあります。部品の数や取り付け穴が減り、組み立てが楽になります。

インレットのみ
インレット+ヒューズ
インレット+スイッチ+ヒューズ
インレット+スイッチ+ヒューズ+フィルター

右に行くほど、ひとつの部品に多くの機能がまとまります

パワーエントリーモジュールについては、このシリーズの「パワーエントリーモジュール入門」で詳しく説明しています。

やりがちな失敗3つ

ここで、はじめてインレットを選ぶときに、やりがちな失敗を紹介します。

×

オスとメスを逆に覚える

機器側は偶数(オス)。C13 を機器に付けると、コード側と合わなくなります。

×

熱い機器に C14 を使う

ピンの温度が上限を超えるおそれがあります。高温なら C16 などを。

×

コードの定格を見ない

インレットが 16A でも、コードが細ければ 16A は流せません。コード側もあわせて確認を。

まとめ:選ぶ前のチェックリスト

インレットは小さな部品ですが、機器の安全を入口で支える大切な部品です。選ぶ前に、次の5つを確認しておきましょう。

  • 機器がふだん使う電流は? → C14(10A)か C20(16A)か
  • インレットのまわりは熱くなる? → ピン温度(C16・C16A)
  • アースは必要? クラスI か クラスII か? → C14 か C18 か
  • コードが抜けたら困る? → 抜け防止(V-Lock など)
  • スイッチ・ヒューズ・フィルターも必要? → パワーエントリーモジュール

部品選びのご相談はアスカ電子へ

型番が決まっている部品のお見積りはもちろん、「この用途にはどれが合う?」といったご相談もお気軽にどうぞ。SCHURTER社製品に特化した商社として、メーカーとも連携しながらお応えします。

お問い合わせはこちら

« トップページへ戻る